ニュースレター : 2021年1月

資産賃借権法B.E. 2562 (2019)

2019年10月27日、資産賃借法B.E.2562(2019)が発効した。この法律の目的は、制約があると考えられている既存の法律である、タイ民商法典(CCC)における所有権や商工業用不動産賃貸借法B.E.2542(1999)における商工業目的での不動産賃貸借の権利に代わる、新しい種類の不動産の権利を提供することで、タイの不動産や土地開発への投資を促進することである。この資産賃借法によるところの不動産賃借権とは、その不動産の所有者であるのと同等の不動産使用権である。さらに同法は、自身の不動産を売却することなく他者が使用することを望む不動産所有者と、ビジネスにおける様々な取引でより柔軟且つ明確に不動産の利益を活用したい者の両方に恩恵をもたらすことが出来るだろう。

この法律で規定された権利の重要な特徴は以下の通りである。:

1) 賃借権の最長期間は30年である。

2) 賃借権は、土地事務所での登記をもって確立され、書面での契約により権利を保有する者に与えられる。

3) 賃借権は、(i)  権利証書のある裸地や遊休地の土地区画;(ii) 権利証書があり、構造物や定着物のある遊休地;(iii)コンドミニアム法により登記されたコンドミニアムの建物だけに対して確立できる。

4) 貸借権は、権利証書にある不動産の一部または部分的なコンドミニアムの所有権に対して確立することはできない。(一つの賃借権の確立に付き一つの権利証書または一つのコンドミニアム所有権)

5) 貸借権が一度確立されたら、その不動産の所有者は、事前に貸借権の保有者からの書面による同意が無ければ、同じ不動産に他の不動産の権利を確立することはできない。

6) その不動産の所有者は、当該不動産を処分または抵当に入れる、または担保として使用する権利を保持する。

7) 賃借権の保有者は、資産の所有者と同様の権利を享受する。但し、資産を処分する権利や、権利保有者が所有者に直ちに通知しなければならない他者の不法占有から資産の所有を回復する法的措置を開始する権利を除く。

8) 賃借権の保有者は、所有者の事前の同意なく賃借権を移転、譲渡または転貸できる。

9) 貸借権は、抵当を確保する為に金融機関への担保とするか、事業担保法による担保とすることができる。

10) 権利保有者は、不動産/資産において改築、修正、建設をすることができ、貸借権が有効な期間中、その改築、修正及び建設した物の所有権を保持することができる。

11) 権利保有者が死亡した場合、貸借権は、権利の残存期間、その子孫に渡すことができる。